第10回シェーグレン症候群国際シンポジウム(France, Brest)の「国際患者会」に参加して
シェーグレン症候群国際シンポジウムに参加して
関 幸子
平成21年9月30日(水)~10月7日(水)にかけてフランスに出かけてきました。第10回シェーグレン症候群国際シンポジウム(10/1~10/3)に参加するためです。
私が国際シンポジウムに参加したのは今回で3回目です。東京、金沢と今回のフランスです。前回と違っていたのは日本からの患者の代表として出かけたことです。今までは患者の一般参加で興味本位に参加していました。
今年の金沢で行われた総会に参加した時「一緒に行ってくれないか」と菅井先生から声をかけていただき、私でいいの?日本語しか話せないのに?と不安だらけの私でした。でも、各国の患者の方と知り合いになれたら素敵、各国の医療状況を知りたい、doctorはどの位参加されるの、患者の代表の参加は何人位等の思いが強く、数日後「参加します」と伝えました。菅井先生より、私以外にもう一人一緒に参加してくださる患者の方を誘って欲しいとメールをいただきました。そこで、岩手にお住まいの吉川さんをお誘いし菅井先生ご夫妻と成田空港で待ち合わせて、9月30日(水)フランスに飛び立ちました。
パリのシャルル・ド・ゴール空港で乗り継いで学会が行われる会場ブレストに向かいました。空港は学会に参加するためにいらしているdoctorで満ちていました。ブレストのホテルに到着したのは22時30分過ぎです。ブレストはブルターニュ半島の西端近くにある湾岸都市で、田舎の町並みという感じでゆったりした雰囲気がありました。
1日(木):会場のホールに入って驚いたのは各国の国旗がホールに飾ってあって、ここはまさにシェーグレンを研究しているdoctorたちのオリンピックのようでした。セッションが活発に行われ、いつ休憩が入るの?と思われた程です。それほど真剣にここに参加されているdoctorはシェーグレン症候群の病気と向き合っているのでした。夜はダンスショーのイベントがありました。
2日(金):レストランで朝食をとりながらの患者(代表者)の交流会からスタートしました。地元のTelevisionが中継に見えていて、日本から来た○○ですとカメラに向かって話したり、挨拶にこられた各国の患者の方に笑顔で応えました。各国の患者の方は誰もが英語を話し非常に積極的でした。日本の患者代表の私は、積極的に挨拶を交わしたくても英語が話せず、SICCAのコーディネーターをしていらっしゃる藤本さんや菅井先生に通訳をしていただきました。藤本さんとは現地で合流しました。朝食後は皆で記念撮影、その後学会が行われている会場へ移動し、患者同士の話し合いが会議室で行われました。患者会に参加した国は11か国(フランス・アメリカ・ニュージーランド・スペイン・ドイツ・フィンランド・オランダ・イギリス・インド・ロシア・日本)です。トルコとカナダは不参加ということでした。薬のことや各国の患者会のつながりをどうしていくのか等、活発な意見交換が行われました。日本の患者は医療が皆保健になっていて、恵まれているのでしょう。世界の国々では患者団体が一丸となって自分たちで働きかけている力強さを感じました。ディナーは海に面しているLe Musee de la Marineにて患者やdoctorが一緒になって行われました。日本から参加されたdoctorも多く、いろんな方と会話を交わすことができました。世界の方々とはモナリザに近い微笑をかえしながら…。
3日(土):昨日と同じ会議室で患者会の活動報告等についての話し合いが行われました。藤本さんと菅井先生に同席していただきました。菅井先生は素人の私たちのために、両日とも患者会の話し合いに学会のセッションをはなれて参加してくださいました。患者会は少しゆとりがあっての話し合いだったのですが、doctorの方々は3日間にわたってのセッション詰めでした(3日目は午前中まででしたが)。この病気に対して、真剣に向かい合っているその姿はすごいなと思いました。少しでも患者のためにより良い治療法を見出そうとしていました。午後は参加希望者を募ってのメンバーで水族館見学に出かけました。色鮮やかな様々な魚に目を奪われました。
4日(日):ブレストのホテルを後にしてTGVにてパリに入りました。ホテルからの眺めは最高でエッフェル塔や凱旋門、モンマルトルの丘がよく見えました。夜景がとてもきれいでした。
5日(月):吉川さんと2人で世界遺産のモン・サン・ミッシェルへ出かけました。昨日のうちにチケットをホテルにて菅井先生に購入していただいて、日本語ガイド付きで、ホテルにバスが6時30分頃迎えに来てくれますという話を聞いて「行ってみたいね」と意気投合していたのです。気をもみながら、大型バスがくるものと信じて待っていた時現れたのはミニバス、しかも英語のドライバー、到着した場所はバスターミナル。不安だらけで、どうなっているのと思っていると、日本人はじめ各国の方が次々集合してきて、落ち着いてまわりを見てここが大型バスの発着場と気付きました。パンフレットをよく読んでいず、しかもガイドが3か国語で、日本語の他に英語とイタリア語。日本語を話しているガイドはフランス人でとまどってしまいました。そんな思いを吹き飛ばすかのように、その方は「筑波大に留学していた時期があります」とおっしゃって日本語が上手でした。モン・サン・ミッシェルに入る手前のレストランにて、もうすぐ到着するモン・サン・ミッシェルの景色を眺めながらオムレツを堪能しました。そしてモン・サン・ミッシェルの中へ。観光客が多くイヤホンをつけての説明でした。外観はとてもすばらしかったのですが、中で生活となると大変だったのでは? 修道院の精神力がしのばれました。
6日(火):菅井先生ご夫妻とオルセー美術館に出かけました。印象派の絵画をみながら、心のやすらぎを感じたり、画家の人生を感じたり、感心したり、疑問に思ったりいろいろな心境になる私でした。ホテルを後にして空港へ。いよいよフランスとお別れ、23時35分にフランスを飛び立ち成田に向かいました。そして成田に18時に到着して気付いたのは、台風18号によるニュースでまわりが心配していることでした。幸いにも今日の深夜に通過ということでしたので、無事に柏の自宅に到着できました。
菅井先生ご夫妻はじめ、藤本さん、関係者の皆様にお世話になり深く感謝いたします。今回参加して非常に感じたことは、各国の代表者は通訳なしで共通語の英語を話せることでした。その仲間に英語で加わることができたら、もっと身近感を感じることができたのではと思っています。貴重な体験をすることができました。今後のシェーグレンの患者会に少しでも貢献することができたらと思っています。
第10回 国際シェーグレン症候群シンポジウムに参加して
吉川 絢子
去る、10月1日〜3日の3日間フランスの西海岸、ブレストで開催された第10回国際シェーグレン症候群シンポジウムの患者会に参加させて頂きました。
9月の始めに、関幸子さんから「フランスのブレストでシェーグレン症候群の学会が開催されるので、原発性シェーグレン症候群の患者さんを探してくださいと菅井先生に頼まれ、毎日心当たりの人に連絡してみたが参加してくれる人が居なくて困っています。吉川さん、行きましょう!」と誘われました。
突然ということもありましたが、あと数か月で70歳になる私がそんな恐れ多きところに出席しても何のお役にも立たず、かえって足手まといになっては申し訳ないのでお断りしました。関さんは、「こまるなー、どうにかならないの?」と悲壮な声でした(困っていると聞くとなんとかしなければと動き出すのがいつもの私なのですが…)。
お断りしてからも毎日、関さんの悲壮な声が耳から離れずにいました。又、菅井先生のお名前に聞き覚えがありどこかで、何かで、何であったか思い出そうにも出てこない、でも確かに覚えている。お断りしたのに、定期受診の際、主治医にブレスト行きの話をしてしまいました。すると先生から「吉川さん、いってらっしゃい!大丈夫、しっかり勉強してきてください。チャンスはのがさないで」と励まされました。膝関節と大腿直筋のあたりに立ち振る舞うときに痛みがある、朝は両手の手指がこわばっていて手を開くのに痛む、薬剤アレルギーがあっての新型インフルエンザの流行期、どう考えても不利な条件ばかりでマイナス思考に陥るばかりでした。
病院からの帰り道、思案しながら歩いていると「どうしたの!?」と肩をたたかれ「もっと胸を張って、みぞおちに力を入れて歩きなさい!老化防止のために!」と檄を飛ばされました。なんという偶然!檄を飛ばしてくれたのは、6年前オーストリアに一緒に旅行したときの友人でした。当時も不安でしたが、倒れたら私か背負ってでも日本につれて帰るからと誘われ、障害者福祉施設、老人福祉施設、教会めぐりの初めての海外旅行でした。あの時は彼女のほうが体調を崩してしまい私のほうが元気だったのです(きっと、ヨーロッパの湿度の高い気候が私に適していたからでしょう)。彼女から「イタリア旅行の終わる日にこのままフランスに行きたいと駄々をこねていたのは誰だっけ?!目の前にフランス行きがぶら下がっているのに…。納豆食べて、梅エキス飲んで絢子さんがんばって!大丈夫人生で行けるよ!フランスの土産話楽しみにしているからネ」彼女と私はシーソーゲームのような友人関係です。
6年前の海外旅行に出かける際に多くの勇気を頂いたのは、スー・ドフィン女史の「シェーグレン症候群がわかる本」を読んだときです。この本の後半部にスー・ドフィン女史のハイクオリティーなライフスタイルの軌跡が掲載されていました。
彼女はパーキンソン病のご主人様と共に毎年旅行を楽しんでいる。年々行動がスローになり、ご主人様の分の旅支度もするので準備に時間がかかるがその準備をしている時がとても楽しい。旅行中は不快感がなく病気を忘れてしまうとのことでした。日頃の煩わしさからのがれ別世界へ行ってみて、病気はストレスにまみれていると病状も悪化するのだと実感しました。そして、自分白身のためのカウンセリング講習を受講し、自己確立をめざすライフスタイルで65歳を迎えた日々を思いおこし、あらためてスー・ドフィン女史の本を開き読み返していたとき、ふと、翻訳者の名前が目に飛び込んできました。そこには菅井進とありました。なんという不思議な事でしょう。思い出せなかった記憶がつながりました。
治るという保証のない病気になった時には人生感が一転し、人間としで生きる目標を失ってしまい難病という重い荷物を背負いながら長年培ってきたライフスタイルを脱ぎ捨て再度構築し直さなければなりません。しかし、毎日のように倦怠感におそわれ、怠け者のような生活を送り、病気からなかなか自立出来ないでいた時にスー・ドフィン女史の著書にめぐり合う事が出来、少しずつ本来の自分を取り戻すことができました。そんな著書を翻訳してくださった菅井先生ご夫妻と同行してフランスに行ける。スー・ドフィン女史のその後の生き方、病気の経過も知る事が出来るのではと思い、ブレスト行きを決心いたしました。菅井先生ご夫妻をはじめ、シェーグレン症候群の会事務局の得野さん、関さんのご指導のもとに準備を進め、1/3は薬で埋まったスーツケースを持ち10月29日、嫁に<ボンボヤージュ~よい旅を〜>と見送られ岩手県盛岡駅を出発しました。
10月30日、成田空港・エールフランス・チェックカウンター前にて菅井先生ご夫妻と合流。初対面でしたが心の中まで温もりが伝わってきました。その温もりに包まれながらの旅が始まり、ブレストのホテル『オセアニア』にチェックイン出来たのは夜中の12時を回っていました。時差ぼけのためか、翌朝3時には目覚めてしまい、語学がまったく駄目な私、今日から始まる患者会で何を学んでいけるのか緊張と不安でいっぱいでした。オープニングのための受付は無事通過しました。フリーの時間は先生方のシンポジウムを見学、会場には35か国の国旗が左右の壁に高く張り巡らされ、どこの国旗も威厳と誇り高さを競い合っているようでした。シェーグレン症患者のために多くの医師の方々が世界各国から集まりスクリーンを使って研究の結果を発表されていました。度々DNAの文字が出てくるので発症原因が遺伝子に関係あるのでは、研究の結果どんな問題があるのか、その問題がどこまで解明されたのでしょう。医師の方々は全脳を使いこなしているのではと思いました。日本から若い先生方が沢山出席されていることには心強く、日本の今後のシェーグレン症候群患者たちの治療・療養生活に明るく大きな希望を抱くことが出来ました。そして私は、体の奥に今まで感じたことのない力が湧いてくるのを悟りました。日頃は診察室の2~3分の会話での医師しか知りませんでした。このたびのシンポジウムに参加したお陰で先生方の日々多忙な診療に追われながらも多方面での活動・研究にいそしんでいる姿と日頃の素顔、尊き人格にも接することができました。主治医とのコミュニケーションに悩む人たちに役立てることが出来るのではと感謝しております。
患者会はワークショップ形式の学びあいでした。先生や講師から一方的に話を聞くのではなく、参加者が主体的に論議に参加して自分たちが体験学習してきた事を提案しながら相互に刺激し合い学びあう事のようで、ワークショップには人と人が直接に出合う喜びがあり、人を通して自分に出合う喜びがある。生身の人と人のコミュニケーションを深める重要な役割を担うとの事です。海外の女性は非常に積極的で議論上手、ピンポン玉のように英語が飛び交い、アメリカ、オランダ、フランスの方々は自信と威厳をもって堂々としていました。インドとロシアの方々は悩みありげに一生懸命訴えかけておりました。最後の論議ではインターネットでの情報交換をしては?ということで論議百出でしたが、時差の問題等、課題が多く結論までには至りませんでした。若い難病患者会では役員会や会議がインターネットで実施されている時代ですが携帯電話や電子メールを盛んに活用する若い世代も対面してのコミュニケーションは必ずしも得意ではなく生身の身体と心を持った人間のコミュニケーションの深化にはつながっていない問題も指摘されている。インターネットを上手につかい、情報のみに振り回されずメンタルな部分も大切にしながら多くの患者会が発展する事を願っております。
私にとりましては最初で最後の国際シェーグレン症候群シンポジウムの参加となります。様々な緊張と不安に始まりましたが、体力にも自信を持つことができ、又自分が育った時代の背景、成育歴を振り返りこれからの人生の出発にとっては新しい宝物を頂いた思いでいっぱいです。
このような機会をお恵み下さいました多くの方々に心から感謝申し上げます。つたない報告で本当に申し訳ございません。
Friday Workshop Summary
The XXth International Sjögren’s Syndrome Symposium (ISSS) took place in Brest (France) from 1st to 3rd October 2009. All the associations of Sjögren’s patients worldwide were invited to attend by the medical team of Pr. Youinou (symposium chairman) and by the French association (AFGS).
Twenty five associations answered to the invitation, twelve attended, three were to attend but could not at the last minute and one was represented by doctors.
The attending associations first shared a “French breakfast” to get to know each other. The television was there to film this very friendly meeting. Then the associations moved to the congress place to start working.
Hereunder are summarized the outcomes of the Friday workshop. Saturday workshop will come later on.
•Creation of the “International Sjogren’s Syndrome Network”. Note: the word “syndrome” has been added for more accuracy when using search engines on the Web.
•Creation of a dedicated page on the SSF website with links to each association website. Material provided by each association will be available. The page will be detached later on to make up an independent website. Note: the SSF will buy a domain name for this future website as soon as possible.
•Creation of an e-mail group; most probably under Yahoo so that the associations can exchange information and can take common decisions. Note: there will be a password. This group will be strictly reserved for the persons representing each association. It is not at all for the patients or the other association board members.
•The AFGS has the e-mail addresses of the associations. They will be sent to the SSF so that they can send information to everybody if needed. The SSF kindly offers to send the “Sjogren’s Quarterly” through e-mail to all the associations.
•A petition to Daiichi Sankyo has been signed by all the attendees to ask the marketing of the Evoxac® in other countries than the USA and Japan. Note: Dr. Sugai is currently investigating so that the petition can be sent to the best person dealing with the Evoxac®.
•A yearbook of the Sjogren’s associations worldwide prepared by the AFGS has been handed out to the attendees. An electronic version will be sent to all the associations for them to check there personal information before an official 2009 version is issued.
•Next meeting of the associations at the next ISSS; in Athens in 2112. In between, the associations who are willing to will meet at the EULAR symposium; in Rome in June 2009.

